アロマやお香もいいけれど、自然はもっと優しい

近頃、とても気に入っている公園があり毎日のように犬の散歩に出かけています。以前から知っている公園なのでたまに行くことはありましたが、こうも連日というのは初めてです。というのも、近頃はだいぶ暑くなり犬が中々散歩をしたがらなくなりました。犬は暑さに弱いので、気持ちはわかります。私も暑い中での散歩は辛い。ということで、散歩の時間もできるだけ早朝にシフトして、涼しくて心地の良いこの公園に行くことになったのです。

ここは与兵衛沼という沼を鬱蒼とした森が囲んでいる公園です。体感温度としては森の外よりも２℃くらい低いのではないかと感じます。木々に覆われているので、日差しはあまり入らないことと、時折森の中を通り抜ける風で、とても涼しいのです。様々な鳥のさえずりも耳に心地よくて、ここは住宅地に囲まれている公園にもかかわらず、この森に入ると、そんなことも忘れるほどに自然の音だけが聴こえてくるのです。まさに別世界なのです。

日常の中で五感を意識することはあまりないのではないでしょうか。ここにいると、耳に届く音や風や木々、葉っぱが触れる感触、様々な自然の匂いがはっきりとダイレクトに感じられるのです。家の中では香りで癒しを得るために、わざわざアロマやお香を焚くなどしていますが、この森にいると自然の強い香りが鼻に届きます。それは木々の香りや土の香り、沼の中に生息している植物や生物たちの匂いも含まれています。全て１００％自然の匂いです。何か合成されたものではない匂いというのは、必ずしも好きな匂いだけではありませんが、体が拒絶するような臭いではありません。だからとても心にも体にも優しく、人が受け入れられる自然なものなのです。

日々の生活というのはストレスに満ちています。人との関わりや自分の凝り固まった思考、様々なメディアからもたらされる情報など、じわじわと自分を蝕んでいることを感じます。それを癒すために、様々なものにお金や時間をかけているわけです。できるだけベストな状態で生活しようと思えばそれは仕方のないことです。なのでより意識して、こうした自然に身を置くことを心がけています。自然は、それに触れた自分がどう感じるかだけです。私たちに意図して何を与えているわけではありません。ですから、どんな思考や行動にも自然はどう感じるのだろうか、そんな心配もいりません。静かにその場に居ればいいのです。そして自然が与えてくれるものをただただ受け取るだけでいいのですから。

自然は優しい。

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