今年の桜がとても美しいのは、心の変化

しみじみ日本人だと感じることは色々ありますが、桜の開花もその一つですね。日本の文化そのものです。美しい花が咲くのを待ち遠しく思う。花が咲いたら日本中が沸き立ち、多くの人が一度はお花見に出かけます。誰に教えられたわけでもないけれど、子供の頃から自然と体が桜に反応しているのです。染み付いたものというのは、生涯それを避けることはできないのでしょう。

そんな私たちにとって、大切な人とお別れした後の桜というのは、一転、ひたすら辛いだけのものに感じるのです。あんなに待ち望み春の到来の喜びを感じさせてくれた桜なのに。美しさや華やかさと辛さや苦しさ、喜びと憎しみの感情というのは表裏一体です。いとも簡単に気持ちを変えてしまうのです。

人の感情とは常に揺れ動いています。同じところに留まっていることはありません。

私について言えば、夫と死別した翌年の春は初めて一人の春でした。桜の花を美しいと思うことはありませんでした。お花見で賑わう人がわずらわしく思いました。一生、お花見などすることはないだろうと思っていましたし、桜が美しいことは私の人生には一切必要がないと感じていました。でも、今は違います。気持ちが変化したのです。桜はとても美しいし、時間があればお花見にも行きたいと思っています。日本人でよかった、心からそう感じています。

大切な人と死別し哀しみを抱えたあなたは、まだそんな気持ちが自分に残っているなどとは思えないでしょう?もう二度と桜など咲かないでほしいとすら思っているかもしれませんね。

でも、桜は毎年必ず咲くのです。咲く時期になったら自然に美しい花を咲かせるのです。たとえ戦禍の下でも疫病の下でも、自然災害の下であっても、かならず咲くのです。本当に強いですね。それを見て、人は感動したり勇気をもらったりするのです。

あなたにもきっといつか、桜の美しさを思い出せる日がきます。今年は無理かもしれませんね。来年も無理かもしれません。でも、人は細胞レベルでは日々生まれ変わっているので、新しいあなたに変化しています。いつまでも今のままではありません。焦らずに、ゆっくりいきましょう。あなたがいつか桜が美しいと感じることがあれば、それを否定しないでくださいね。ちゃんと、桜が美しいと感じているあなたを受け止め、喜んであげてくださいね。

夫ともう一度桜を観たかったけれど、叶いませんでした。でも、私の目を通して観せてあげたいと思っています。自分すら、来年の桜は観られる保証はないのですよ。美しいものを美しいと感じられている自分は今とても幸せなのだろうと思う、今年の桜の季節です。

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哀しみを癒すサロン and new you

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